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別除権
【べつじょけん】


Right of Separate Satisfaction

別除権とは、破産手続または民事再生手続開始の時において、破産財団または再生債務者財産に属する財産につき担保権を有する者が、これらの権利の目的である財産について、倒産手続によらないで担保権を行使することができる権利をいう(破産法第2条第9項、民事再生法第53条)。別除権は、倒産手続に拘束されずに、本来の担保権の実行方法により行使することができる。例えば、別除権者が抵当権者の場合、民事執行法に基づく競売等の方法により実行される。特別の先取特権、質権、抵当権を有する者は別除権者として取り扱われる。商事留置権者は、再生手続においては直接的に別除権者とされるが、破産手続おいては特別の先取特権者とみなされて別除権者と扱われ、他の特別の先取特権に劣後する(破産法第66条第1項第2項)。これに対し、民法上の留置権は、いずれの手続においても別除権とされない。非典型担保が別除権として取り扱われるかは解釈に委ねられているが、ファイナンス・リース、所有権留保、譲渡担保については、担保としての機能を有するという実体が重視され、別除権として取り扱うというのが通説的見解であり、実務でもそのように運用されている。なお、一般の先取特権は、別除権とはならず、優先的破産債権一般優先債権として取り扱われる。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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