100辞書・辞典一括検索

JLogos

24

きんつば[中田屋]


大納言の旨みを最大限に引き出した
初代の情熱を継ぐ閑雅な名品

きんつば[中田屋]

つややかな小豆餡を極薄の白い衣で包んだきんつば。江戸時代中期に京都で誕生し、形状が刀の鍔に似ていることから「ぎんつば」と呼ばれたが、江戸に伝わる際「銀より金が上」と、現在の名になったという。その名店として知られるのが、昭和9年(1934)創業の中田屋。当初は総合和菓子店だったが、初代が大のきんつば好きで、きんつば作りに精力を傾けた結果、金沢のきんつばといえばここといわれるほどの、今日の人気を築き上げた。
大納言小豆を丁寧に炊き上げ、砂糖と寒天を加えて成形し、薄い米粉の衣を塗って焼き上げる。「簡素な菓子ながら中田屋のもてる技すべてをきんつばに込めております」というだけに、素材を吟味し一つ一つの工程にもこだわって、味わいは格別だ。甘さを抑え巧みにきかせた塩味が小豆の香りを引き出し、ふっくらしたつぶ餡と薄い衣皮の食感もよく調和している。




東京書籍
「全国五つ星の手土産」
JLogosID : 14071753