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左腕投手がなぜサウスポーなの?


野球で左腕投手のことを「southpaw(サウスポー)」といいます。あまり野球に詳しくない方でも、この言葉ぐらいは聞いたことがあるでしょう。
「サウスポー」という言葉は一八八〇年代に使われるようになったといわれています。最初に使い始めたのは、シカゴニュースのピーター・ダーンもしくはヘラルド新聞のチャールズ・シーモアのどちらかといわれています。
しかし、考えてみればおかしなものです。 paw(ポー) には「人間の手」という意味があるのでまだわかりますが、「south(サウス)」という単語をいくら調べたところで左という意味は出てきません。なぜ野球の世界では「南の手」が「左腕」になったのでしょうか。
実は、野球規則第一条の四項にこんなくだりがあります。
「本塁から投手板を経て二塁に向かう線は、東北東に向かっていることを理想とする」
つまり、球場はマウンドを中心として、センター方向が東、本塁方向が西、一塁方向が南、三塁方向が北であることが好ましいということです。これは、太陽光線が打者の目に入らないようという理由から決められたものです。
すると、ピッチャーがマウンドに立ったとき、左手は一塁方向にあることになります。つまり、左利きのピッチャーは南側の手で投げるから、サウスポーと呼ばれるようになったというわけです。




角川学芸出版
「無敵の雑学」
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