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幼気
【いたいけ】


itaike

【近代】小さくていかにも可愛らしい。また、幼くて痛々しいさま。[中国語]可憐。lovely, helpless.

【語源解説】
いかにも客観的にみて、痛みを感じさせるような愛らしさで、〈痛(いた)き気(け)〉の音便。すなわち、イタキケitakike→イタイケitaikeとk音が脱落する現象。〈気(け)〉は様子、さまの意。本来は人だけではなく、物についても形容した。

【用例文】
○いたいけしたる小女房(平家)○いたいけしたる翫び物取具して(沙石集)○壮気(イタイケ)(運歩色葉集)○いたいけなお子ぢゃ(狂言)○Itaiqena. イタイケナ 美しい、やさしい、かわいらしいなど。イタイケナ子(日葡辞書)○つぼみぬる花はいたいけ盛哉(毛吹草)○いまだいたいけ盛(ざかり)の子(西鶴)○孫を持ったも名ばかりで、いたいけらしい顔も見ず(近松)○幼気(いたいけ)(早節用集)○いたいけさ蔭と我身をせいくらべ(川柳)○幼気(いたいけ)、至慶(同)(いろは節用)○いたいけは痛気なるべし、いと愛(かな)しむ意の深きをいふなり(嬉遊笑覧)○イタイケ 最愛気 young, lovely. イタイケサカリノコ。類義語 カワイラシイ(ヘボン)
【補説】
ヘボンの〈最愛気〉はイト・アイ・ケito・ai・ke→itaikeと解していたことを示す宛字。




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537130