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偽装質屋
【ぎそうしちや】


 質屋の体を装った、実質は違法の闇金業者のこと。質屋営業法で年109.5%と法的に認められている金利上限をたてに、実質高利の貸金業者として営業しているためトラブルが後をたたず、多重債務者を増やすなど社会問題になっている。通常貸金業者は貸金業法により年利20%が上限とされているため、法の隙間を恣意的にかいくぐり法外な金利としている。

 しかし実質が貸金目的のため、質入れ品(質草)を問わない場合が多く(ゴミでも何でも可)、シニアの場合年金を担保として、実質年金振込み日の直後に引き落とす手続きをさせるなどの手口が横行している。
 無価値の質入れ品で金銭を貸す行為は質屋営業ではなく、貸金業法に違反するため摘発対象となるが、借りた側も、返済するために再び借りなければならないという悪循環により後を絶たない。

 そもそも質屋営業法で109.5%と高金利が認められているのは、品物の鑑定料、質草の保管料(金庫などの設置が義務付けられている)や売却費用、盗品だった場合の押収リスクなどを考慮して定められている。

 偽装質屋は確実に回収できる「年金」を担保にとる場合が多いため、国民生活センターに報告された被害状況からもほとんどがシニアだ。年金を担保にすることは労災保険法により原則禁止されているが、独立行政法人福祉医療機構公的年金担保融資制度を利用することは認められているため、必要に応じて相談の上対応したい。

 対策としては「偽装質屋からは借りない」に尽きるが、質屋営業の許可を得ている場合もあるので注意が必要。見分ける特徴としては「質草は何でも良い」や「返済は年金口座から自動引き落とし」など特徴があり、この行為自体がそもそも違法となる。

 もし既に多重債務に陥っている場合は、自治体の多重債務相談窓口や消費生活センター弁護士の無料相談など、まずは社会のセーフティネットを利用したい。




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「新語」
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