100辞書・辞典一括検索

JLogos

117

ユレダス
【ゆれだす】


地震動早期検知システム(Urgent Earthquake Detection and Alarm System)

~地震を早期に検知する~

 世界で発生するマグニチュード6以上の地震のうち、約2割は日本近辺で起きているそうだ。ユレダスは、地震が発生したとき、即座に検知して警報を発し、被害を最小限に抑えるためのシステムである。右の英語の頭文字をとって、ユレダス(UrEDAS)。「アメダス」や「イミダス」にあやかったフシがうかがえるネーミングだ。
 ちなみに、「ユレ」となるために不可欠な最初の単語「Urgent」は、緊急という意味。直訳すると「緊急地震検出警報システム」。苦労のあとがうかがえる。さらにまるっきりの余談だが、アメダスの小型簡易版はマメダス(マイクロアメダス)というのだそうだ。
 ユレダスは、主に鉄道関係に用いられ、東海道新幹線では92年の、のぞみ運行以来全面的に稼動、山陽新幹線では96年から採用されている。現在、各新幹線のほか、東海道・山陽新幹線周辺の在来線、東京地下鉄(東京メトロ)で使用されている。

●停電させて列車を停止させる
 地震にはP波とS波がある。P波は、地震で最初にやってくる第一波、プライマリ・ウエーブ(初期微動)であり、縦の揺れが感じられる。S波は、次いでやってくるセカンダリ・ウエーブ。横揺れで、P波より破壊力の大きい主要動である。
 ユレダスでは、伝わる速度が速いP波(S波の約二倍の速さ)を検知点で検知し、地震の規模や震源までの距離を算出、必要と判断した場合には警報を発して停電させ、列車を停止させる。
 現在のユレダスは比較的遠距離の大地震を想定しており、P波検知から警報送信、停電まで3秒かかる。東海では05年8月末にシステムを更新し、かかる時間を約2秒に短縮している。
 東北新幹線、上越・長野新幹線、東京メトロでは、P波を検知して1秒程度で警報を出すコンパクトユレダス(コンパダスなどとは略さない)を98年から採用している。阪神大震災を教訓に開発されたもので、直下型地震にも対応する。
 04年の新潟県中越地震においても、1秒程度で警報を発して付近を走行中の列車はすべて停電し、非常ブレーキがかかった。数秒ではあっても余裕時間が生じた効果はあった。それでも新幹線の脱線は避けられなかった。P波とS波がほぼ同時に襲うほどの震源の浅い(深さ約10キロ)直下型だったからで、東日本ではシステムを改良する計画を打ち出した。
 また、高架橋柱の耐震補強工事を前倒しで実施。土木構造物の耐震補強工事は、東海、西日本でも進めており、東海の橋脚補強工事は08年度中には完了するもよう。東海は、東海道新幹線早期地震情報システム(TERRA‐S、テラス)のセンサー数を25か所から50か所に増やす計画だ。




日本実業出版社
「JR語の事典」
JLogosID : 5005018