保渡田[関東地方] 角川日本地名大辞典

保土田とも書いた。榛名(はるな)山南東麓，井野川と同川支流大清水川流域に位置する。戦国末期箕輪城を築いた長野氏ゆかりの保渡田城跡と武者走りの土塁，高さ５mの天守山（本丸）が残る。地内南東部に６世紀の前方後円墳３基がある。薬師塚古墳の出土品である９個の鈴つき金銅製轡の鏡板（馬具）など333点は，昭和18年国宝に指定され，西光寺に保存されている。浄土宗西光寺は応永２年の創建と伝え，もとは元屋敷にあったが戦乱で荒廃していたところ，天和３年薬師塚古墳が発掘され，船形石棺から薬師如来仏と馬具が発見され，村人はこの薬師如来仏を安置するため古墳の上へ薬師堂をつくり，西光寺も再建した。これ以後この発掘を記念して，４月12日を薬師の縁日とし，当村中部の檀家衆は獅子舞を奉納し，現在も年中行事として続けられている。
【保渡田(中世)】　戦国期に見える地名。
【保渡田村(近世)】　江戸期〜明治22年の村名。
【保渡田(近代)】　明治22年〜現在の大字名。