殖蓮村[関東地方] 角川日本地名大辞典

(近代)明治22年〜昭和15年の自治体名。はじめ佐位郡，明治29年からは佐波郡に所属。大間々扇状地の南西部，粕川中流域に位置する。下植木・上植木の２か村と蓮(はちす)村の一部が合併して成立。蓮を八寸とし，旧村名を継承した２大字とともに３大字を編成。村名は，植木の植を殖とし，八寸を蓮とし，合成した。村役場ははじめ下植木天増寺，のち上植木正観寺，下植木字上飯玉に移転。明治24年の戸数675，人口は男１，730・女１，686，学校１・水車場６。世帯数・人口は，大正９年873・５，320，昭和５年１，150・７，171，同15年１，431・８，814。明治37年の行政区画は下植木が中里・宿・中・東・書上の５区，上植木が堀之内・間之原・堤原・関・西根・下西根・中屋敷の７区，八寸が八寸・小斎・神谷の３区の15区編成となった。主な産業は織物と農業で，明治30年には500疋以上の織物生産者が３人おり，最高は１万５，006疋を生産している（伊勢崎織物同業組合史）。明治42年の機業戸数21うち工場を有するもの３，賃機戸数500，機台数530，産出額は絹織物10万968反・絹綿交織３，952反で，金額は36万５，144円（殖蓮村郷土誌）。大正10年の生産額は23万１，600疋で218万３，990円，染色高２万９，000貫，大正11年の機業戸数56，１万疋以上の生産工場が４，力織機120台（佐波郡誌）。昭和４年の機業戸数55，工場数23，力織機691，手機807，染色業戸数36，手機は婦女子の賃取仕事であった。大正11年の過去５年平均の農業生産の収穫高は米４，839石・陸稲１，308石・大麦１，001石・小麦２，572石，同年の農業機械は発動機・脱穀機・もみ摺機４台であった（佐波郡誌）。明治23年両毛線が開通するが駅はない。また同年には下植木・八寸地内を太田新道が開通した。昭和15年伊勢崎市の一部となり，３大字は同市の大字に継承。