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高松村[九州地方]
角川日本地名大辞典

(近代)明治5〜22年の村名。日向国児湯(こゆ)郡のうち。耳川下流の南方,百町原台地の一部,田久保川の支流水無川中流の東側に位置する。東は日向灘に面し,隆起海岸の高台にある。地名の由来は,上別府(かみのびゆう)村の字地名からとられたという(日向地誌)。上別府・落子(おとしこ)・田ノ原の3か村が合併して成立。はじめ美々津県,明治6年宮崎県,同9年鹿児島県,同16年からは宮崎県に所属。「旧高旧領」に村名が見え,村高は962石余とある。明治5年,旧藩士の知行地解放と地租軽減を要求する農民騒擾が高鍋村中鶴を中心として起こり,上江村・平田村・都農(つの)村とともに当村にも飛火した(川南町史)。「日向地誌」の著者平部嶠南が美々津町において当村を調査したのは明治11年6月8日で,同書によれば,地内に美々津町を含み,村の規模は東西約2里・南北約1里5,6町,東は海浜に至り,西は臼杵(うすき)郡山陰(やまげ)村および下三ケ村,南は川北村,北は臼杵郡幸脇村および山陰村と接し,宮崎県庁からの里程は北へ約12里31町,地勢は「東滄海ニ面シ北美々川ヲ帯ヒ南ニ高原アリ西ハ則チ岡巒起伏,薪芻饒足,運輸亦便利」とあり,地味は「其田多ク黒ソミ土処々赤ソミ土雑ル,其質中ノ下,畑モ大率田ト同シ,其質中ノ上,水利ハ便ナラス時々旱災ニ罹ル」と見える。また,税地は田79町余・畑161町余・宅地25町余・山林31町余・原野28町余・芝地4町余・藪9町余などの計340町余,無税地は計1町余,官有地は山林181町余・原野538町余・藪5町余などの計732町余,貢租は地租金1,271円余・雑税金1,179円余の計2,450円余,戸数731(うち神社4・寺院1・寄留14)・人数2,977(男1,505・女1,472),牛218・馬492,舟43,村内の字地別戸数は宮ノ下12・高松38・田窪14・落子25・石並町123・美々津町398・上別府93・余瀬18・田ノ原12・丸山6。学校は人民共立小学校が高松(生徒数男17・女10)・美々津町(生徒数男70・女30)・上別府(生徒数男13・女5)・余瀬(生徒数男11・女7)の4か所にあり,戸長役場・4等郵便所はともに美々津町にあった。民業は農業178戸,工業30戸,商業450戸,製糸業50戸,商間に漁業に従事する者50戸,農間に瓦製造に従事する者4戸,薪炭製造40戸,医者5戸,牛馬売買5戸がいた。物産は駒3,000頭・鮖2,000尾・鯛100尾・小鯛1,500尾・鰺8万尾・鰮10万尾・魳2万尾・海蝦10石・烏賊5,500尾・蠣30石・香魚2万尾・白魚5石・糶200石・櫨子300貫・瓦4万枚・薪21万2,000束・炭5,000俵・半紙13万2,000束・半切紙500束・塵紙1,800束・蠣灰75石・酒30石・蕎麦麺1万5,000椀・豆腐3万丁・筍500束・鵜糞6石。道路は大分県街道が通り,美々(耳)川の河口には東西3町・南北2町余の美々津港があり年間の出入船数は約240〜250艘という。また村内の山に音羽山があり,川は美々川・石並川,用水は前田溝・松本溝が流れ,森林に袖山雑樹林・音羽山雑樹林,湖沼に天神原池がある。なお,美々津町は江戸期において地籍上は上別府村のうちに含まれていたが,高鍋藩の行政上では独立した港町として扱われており,明治期になっても「日向地誌」で記されるように地籍上は当村地内に含まれるが,行政上は独立した行政区画として扱われていた。明治21年には美々津町を除いて戸数268・人口1,263,反別は田81町余・畑160町余・宅地28町余・池沼1反余・山林230町余・原野572町余・雑種地9町余の合計1,081町余,諸税および町村費の納入額は国税1,391円余・地方税617円余・町村費105円余(郡行政/県古公文書)。明治22年美々津村美々津の一部となる。