こころの辞典 転 36 転移 神経症主治医との関係に限定された神経症のこと.現在の神経症に対して精神療法を始めると転移が発生し,患者の心を占めるのは現在の葛藤ではなくて過去の葛藤になる.この状態では現在の症状はいったん消えるので転移性治癒という.一方で過去の葛藤が活性化されることにより別の神経症症状が発生する.これを転移神経症という.フロイトの精神分析療法では神経症を転移神経症に変換し,症状を診察室内に限定した上で治療を進める. 丸善「こころの辞典」JLogosID : 12020496