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カトリーヌ・ド・メディシス
【かとりーぬどめでぃしす】


大虐殺を引き起こした王妃が持ち込んだフランスを仰天させたデザート?

一六世紀フランス王妃カトリーヌ・ド・メディシスは、宗教戦争産物である「聖バルテルミーの虐殺」を引き起こしたことで知られている。一五七二年八月四日早朝からおこなわれた、この歴史残る残虐な事件翌日続き最終的に数万人ともいわれるユグノー新教徒)が兵士旧教徒(カトリック教徒)らによって命を落とした。彼女はなぜ、このような大虐殺を起こしたのか? それはユグノーコリニー提督が、カトリーヌの息子シャルル九世をそそのかして、自分の側に引き込もうとしたので激怒したのが発端とされる。彼女コリニー提督暗殺計画。これが失敗終わり一気に殺戮断行したというのだ。それに加え「カトリーヌは魔術世界取り憑かれていた」と見る研究者多い。一四歳でイタリアフィレンツェ富豪であるメディチ家からアンリ二世のもとへ嫁いだが、夫はカトリーヌより二〇歳も年上の愛人ディアンヌ・ド・ポアチエ夢中で、少しもかまってもらえなかった。その心の空白埋めるためか、彼女宮殿多くの錬金術師占い師出入りさせていたという。かの有名な予言者ノストラダムスもその一人だった。ノストラダムス予言通り、夫アンリ騎馬試合非業の死をとげている。アンリ二世死後、後を継いだ長男フランソワ二世一年後に急逝すると、わずか一〇歳で即位した次男シャルル世の摂政として政治表舞台に躍り出たのである。そんなカトリーヌだったが、実はフランス王家に嫁いだときに、大勢料理人菓子職人らを連れてきている。新婚当時、カトリーヌはまだ幼かったが、すでにグルメとしては一人前になっていたとも伝わる彼女が持ってきたもののなかで、とくにフランス中を仰天させたものがある。それがシャーベットだった。それまで、フランス人はシャーベットなど見たことも聞いたこともない。冷蔵庫フリーザーもなかった時代なので、当然といえば当然なのだが、ではカトリーヌはシャーベットをどうやってつくらせたのだろうか?実はメディチ家屋敷地下には氷室があり、北欧から運ばれてきた貴重な氷が常に貯蔵されていたのである。それによって、春夏秋冬問わず、いつでもシャーベット楽しめたというわけだ。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820175