NPO法人の課題
NPO法が1998年に制定されて7年あまりが経過した。2006年6月末までの累計で、申請受理数2万9213、うち2万7414が認証されている。不認証数は248にとどまっており、市民団体の法人化のハードルを下げるという法の狙いは達成されているといえる。
一方、すでに解散した法人が789、認証を取り消された法人も52に上る。NPO法で提出が義務付けられている事業報告書を提出しない法人も全体の2~3割はあるといわれ、一部のNPO法人の違法行為が、NPO全体の信頼を低下させる恐れも出てきている。
また、法人数の急速な増加と裏腹に、多くのNPO法人の経営基盤が脆弱であることはつとに指摘されており、マネジメントや人材育成に関する課題は残されたままである。さらに、一部のNPO法人は、行政との協働推進の結果、行政への過度の依存、下請け化が進行している。
政府の国民生活審議会などの場では、こうした現状を踏まえ、NPO法改正も視野に入れた制度見直しの議論が始まっている。
| 朝日新聞社 「知恵蔵2009」 JLogosID : 14846614 |