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COPD(慢性閉塞性肺疾患)
【しーおーぴーでぃー(まんせいへいそくせいはいしっかん)】


Chronic Obstructive Pulmonary Disease

 慢性閉塞性肺疾患という病名は、慢性の、空気が通りにくい、肺の病気といった意味合いです。英語名(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)の頭文字をとってCOPDともいいます。ほとんどはタバコの煙が原因であるため、「タバコ病」という別名もあります。
 COPDを知ってもらうために、まず肺の構造を説明します。肺という臓器は、体外の酸素と体内の二酸化炭素のガス交換、つまり呼吸をつかさどっています。肺は主に気管支と肺胞(はいほう)からできていますが、実際にガス交換が行われるのは肺胞で、気管支は空気の通り道です。太い気管支は枝分かれして次第に細い気管支となり、10数回枝分かれした最も細い気管支の先に肺胞という小さな袋がついています。肺胞は周囲を毛細血管で覆われているので、肺胞の空気と毛細血管の血液との間で酸素と二酸化炭素が交換されます。
 タバコの煙などの有害物質を長期間吸入していると、肺には様々な障害が起こってきますが、その中でもCOPDは細い気管支に炎症が起きて空気の通りが悪くなる病気です。息を吐くときには圧力がかかって通り道がさらに細くなるため、息を吐きづらい呼吸困難が特徴的な症状です。肺胞に炎症が及ぶと、肺胞が壊れて肺気腫(はいきしゅ)という肺の変形を伴うことがあります。また、太い気管枝に炎症が及ぶと、痰が増えて慢性気管支炎の症状を伴うことがあります。
 COPD、肺気腫、慢性気管支炎という3つの病名は違いがわかりにくいかもしれません。COPDは空気の通りが悪くなる病気なので、肺機能の異常をスパイロメトリーという検査で確認することにより診断します。肺気腫は肺胞が破壊される病気なので、肺の形の異常を胸部CTなどの検査で確認することにより診断します。慢性気管支炎は痰(たん)が増える病気なので、症状(痰が年に3カ月以上あり、それが2年以上連続する)だけで診断します。つまり、それぞれ別の観点からつけられた病名なのです。したがって、例えば肺気腫を伴うCOPDもあれば、肺気腫を伴わないCOPDもあるのです。




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「標準治療(寺下医学事務所)」
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