変化
【へん-げ】

[名][自][サ変]
((「へげ」「へんぐゑ」ともいう))[1]神仏が仮に人間の姿になって現れること。また、その姿。権化(ごんげ)。
[例]「我が子の仏、へんげの人と申しながら、ここら大きさまで養ひ奉る」〈竹取・貴公子たちの求婚〉
[訳]「大事なわが子よ、(あなたは)変化の人とは申しながら、これほどの大きさまで育て申し上げた」
[2]動物などが姿を変えて現れること。また、そのもの。妖怪。化け物。
[例]「もし狐(きつね)などのへんげにやと覚ゆれど」〈源氏・蓬生〉
[訳]「もしや狐などの化け物ではなかろうかと思われるが」
[3]絶え間なく移り変わること。常に変化すること。
[例]「常住(じゃうぢゅう)ならんことを思ひて、へんげの理(ことわり)を知らねばなり」〈徒然・七四〉
[訳]「永久不変であろうことを願って、絶え間なく移り変わるという道理を知らないからである」

![]() | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5072216 |