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み吉野(よしの)の 山かき曇り 雪降れば 麓(ふもと)の里は うち時雨(しぐ)れつつ
【みよしののやまかきくもり】


〔〔和歌〕〕〈新古今・冬・五八八・俊恵(しゅんゑ)〉
[訳]「吉野の山一帯が曇って雪が降ると、ふもとの里には時雨(しぐれ)が繰り返し過ぎていくことであるよ」
<参考>「かき曇り」の「かき」、「うち時雨れ」の「うち」はそれぞれ接頭語。「時雨る」は冬に山間部で通り雨が降ること。吉野は桜の名所であるとともに雪の名所でもある。山と里、雪と時雨を対照させて詠む。俊恵の自讃歌(『無名抄』五八・俊成自讃歌の事)。




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5080055