100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

賑ははし
【にぎはは・し】


[形][シク](しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ

にぎはは・し【賑ははし】(ニギワワシ)((動詞「にぎはふ」の形容詞化。「にぎはし」ともいう))[1]富み栄えている。裕福だ。豊かだ。
[例]「世にあり侘(わ)ぶる女の、似げなき老法師(おいぼふし)、あやしの吾妻人(あづまうど)なりとも、にぎははしきにつきて」〈徒然・二四〇〉
[訳]「この世に生きていくのが大変になった女が、(年齢が)つり合わない年取った法師や、身分が低い東国の人であっても、裕福なのに心をひかれて」


[2]物が多い。豊富だ。
[例]「硯(すずり)のあたりにぎははしく、草子どもなどとり散らしたるなど」〈源氏・初音〉
[訳]「硯のまわりは物が多く、いくつかのとじ本などが散らかしてあったのを」
[3]にぎやかだ。はなやかだ。明るく陽気だ。
[例]「こよなくにぎははしくもなりたるかな」〈更級〉
[訳]「(ふだんよりも)格段ににぎやかになったものだ」




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5081585