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止む・留む・停む泊む
【と・む】


[他][マ下二]め/め/む/むる/むれ/めよ

<Ⅰ>


[1]行かせないようにする。進ませない。止める。制止する。
[例]「◎駒(こま)とめて袖(そで)うちはらふ陰もなし佐野のわたりの雪の夕暮れ」〈新古今・冬・六七一〉
[訳]⇒こまとめて…〔〔和歌〕〕
[2]後に残す。とどめる。
[例]「◎面影(おもかげ)は身をも離れず山桜心の限りとめて来(こ)しかど」〈源氏・若紫〉
[訳]「◎山桜(の花)の(ように美しい若紫の)幻影はこの身から離れない、心の全部を後に残して来たのに」
[3]〔「心をとむ」「目をとむ」の形で〕(心や目に)とめる。関心をもつ。注目する。
[例]「春は南殿(なんでん)の桜に心をとめて日を暮らし」〈平家・灌頂・六道之沙汰〉
[訳]「春は南殿(=紫宸殿(ししんでん))の左近の桜(の花)に心をとめて日を過ごし」
<Ⅱ>(船を)停泊させる。また、宿泊させる。
[例]「◎明石(あかし)の浦に船とめて」〈万葉・一五・三六二七・長歌〉
[訳]「◎明石の浦に船を停泊させて」




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5088583