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歌よみは 下手(へた)こそよけれ 天地(あめつち)の 動き出(いだ)して たまるものかは
【うたよみは】


〔〔狂歌〕〕〈狂歌才蔵集・宿屋飯盛(やどやのめしもり)〉
[訳]「歌人はへたな者こそよいのだ。『古今和歌集』の仮名序が言うように、和歌に感銘して天地が動き出してしまっては、たまったものではない」
<参考>『古今和歌集』仮名序「◎やまと歌は…力をも入れずして、天地を動かし」をふまえ、和歌の効用を比喩的に表現した一節をあえて実事ととらえて詠んだところにおかしみがある。宿屋飯盛は、国学者・読本(よみほん)作者の石川雅望(まさもち)(一七五三~一八三〇)の狂歌での名。江戸で旅館業を家業としたことにちなんだもの。→<暮らしと文化>「歌徳」




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5089401