安らか
【やす-らか】

<形動>[ナリ]なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ
[1]穏やかだ。平穏無事だ。気楽だ。
[例]「わが身一つならばやすらかならましを」〈更級〉
[訳]「もし自分一人ならば、気楽だろうに」
[2]わざとらしくなくて、あっさりしている。自然だ。落ち着きがある。
[例]「うちある調度(てうど)も昔覚えてやすらかなるこそ、心にくしと見ゆれ」〈徒然・一〇〉
[訳]「なにげなく置いてある道具も古風な感じがして落ち着きがあるのは、奥ゆかしく感じられる」
[3]容易だ。簡単だ。
[例]「やすらかに結(ゆ)ひて参らせたりけるが、思ふやうにめぐりて」〈徒然・五一〉
[訳]「簡単に組み立てて差し上げたところ、(水車は)思うとおりに回って」

![]() | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5090787 |