つか-まつ・る
【つか-まつ・る】

((「つかうまつる」の変化した語))<一>[自][ラ四]<二>[他][ラ四]ら/り/る/る/れ/れ
((「つかうまつる」の変化した語))<一>(「仕ふ」の謙譲語)お仕え申し上げる。
[例]「堀川の左大臣殿は、御社(みやしろ)までつかまつらせ給ひて」〈大鏡・道長・下〉
[訳]「堀川の左大臣殿(=藤原顕光(あきみつ))は、お社までお仕え申し上げなさって」
<二>
[1](「為(す)」「行ふ」などの謙譲語)し申し上げる。して差し上げる。
[例]「舟つかまつらずは、一々にしゃつばら射殺せ」〈平家・一一・逆櫓〉
[訳]「舟をお出し申し上げないならば、そいつら一人一人射殺すぞ」
[2](「為(す)」「行ふ」などの丁寧語)します。いたす。
[例]「あやまちは、やすき所になりて、必ずつかまつることに候ふ」〈徒然・一〇九〉
[訳]「失敗は、たやすい所になって、必ずいたすものでございます」

![]() | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5110502 |