草しか食べないのになぜ象は体が大きいの?
背を伸ばすには肉と牛乳が一番と信じている人は多いでしょう。事実、肉の消費量に比例して日本人の身長も伸びて来ました。とはいえ象やカバは草しか食べないのに、ライオンより大きな体をしています。いっぽうで、ほぼ菜食だったかつての日本人が、肉食中心の欧米人より小さな体をしていたのは、なぜなのでしょうか。
草食動物の体が大きいのは、消化器官が長いためです。草を分解して吸収するには肉の場合よりも時間がかかるため、肉食動物に比べて草食動物は長い消化管を持っているのです。つまりは、長い消化管を収めるために大きな体が必要になったわけです。同様に、日本人は欧米人に比べて菜食に近いため、消化管が長い傾向にあります。しかし、草食動物と肉食動物ほど消化管の長さに違いはないために、摂取する栄養の差で日本人の体は欧米人より小さかったのです。人間の場合は肉食動物のように、肉や牛乳をとった方が体は大きくなります。
| 角川学芸出版 「話を盛りあげる究極の雑学」 JLogosID : 5180171 |