半月湖
【はんげつこ】
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後志(しりべし)地方倶知安(くつちやん)町の南部にある湖。羊蹄山(1,893m)の北西山麓裾部にある火口湖で,沖積世(完新世)に羊蹄山の側火山活動で生じた。はじめ直径約550m,深さ60~100mの,ほぼ円形の爆裂火口湖であったが,中に比高70mの安山岩の溶岩円頂丘の丸山が噴出し,半月湖と新月湖の2つに分かれた。半月湖は周囲約1km,面積1.3km(^2),最大深度は中央部で18.2m,湖底の一角に陥没部があり,その深さは不明。四季水量は比較的不変だが,水面は5月の解氷期に最高,8・9月頃に最低になり,その差約1m。水面標高は270m。新月湖は東西75m,幅20mであるが,土砂の堆積によりその姿を失いつつある。半月湖は羊蹄山の比羅夫口登山路近くにあり,静寂なたたずまいを見せる。付近には雑木林が密生して原始的な自然景観を示し,春のコブシや山桜,秋の紅葉で知られる。
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![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7006920 |