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玄中寺
【げんちゅうじ】


八戸市柏崎5丁目にある寺。日蓮正宗。山号は万寿山。本尊は曼荼羅。現在,県立八戸東高校(類家1丁目)の所在する周辺を古玄中寺と呼んでおり,この一帯が当寺の前身寺院の跡地に比定される。同寺は元禄年間豊山寺(現廃寺,八戸市内丸2丁目)の勧水が庵寺として開創したもので,薬師如来を本尊とした(八戸祠佐嘉志写,八戸市立図書館蔵)。鉄作和尚が寺運興隆に努め,享保2年には一切経堂を建立(同前)。同9年2月には火災で焼失,同月24日には寺屋敷拝領の願書がだされ,藩からの許可をうけている(八戸藩日記/八戸市史)。寛保4年の諸寺院寺号山号帳(八戸市立図書館蔵)によると,黄檗宗大本山万福寺(京都府宇治市)の末寺。しかし宝暦年間ごろ廃寺となり(八戸藩史料),明和4年には本寺へ寺基断絶の届出がだされたという(南部八戸の城下町)。現宗派の寺としての再興は,幕末の元治元年で八戸藩9代藩主南部信順が,藩主別荘地の田屋に日英を開山に招いて寺基を復活(八戸藩史料)。「国誌」では,再興年代を安政3年と記し,駿河国大石寺(静岡県富士宮市,日蓮正宗総本山)の末寺とある。「八戸藩日記」によれば,元治元年4月に金10両・3人扶持が給され,10月には初めて住職が任命され,会式を開催して金3両の寄進をうける。信順の帰依が篤く,領内十か寺に並ぶ格式を与えられ,明治5年信順が没すると翌年遺歯が納められた(八戸藩史料)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7010814