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館村
【たてむら】


旧国名:陸奥

(近世)江戸期~明治9年の村名。津軽郡鼻和庄のうち。中村川下流右岸に位置する。同川下流に舞戸村,上流に中村がある。地名の由来は,中村館主津島(対馬)氏の支館であった舞戸館によるものと思われる。同館は東部の丘陵中,中村川に面して作られ,比高20m,東西250m・南北150mの規模を有した(津軽諸城の研究・津軽封内城址考)。弘前藩領。村高は,「貞享郷村帳」94石余,「貞享4年検地水帳」72石余(田69石余・畑屋敷2石余),「天保郷帳」56石余,「旧高旧領」74石余。「貞享4年検地水帳」によれば,小字に「富田・久留・蒲生・わし見」があり,反別は田6町4反余・畑屋敷7反余(うち屋敷地1反余),このほかに開発可能地(畑)2反余がある。また,田は上田から下々田まで,畑は中畑から下々畑まで設定され,石盛は上田1石3斗,中畑5斗。元禄3年には赤石組に属し,村位は上(平山日記)。神社は,享保3年創建の稲荷宮がある(安政2年神社書上帳)。のち,同社は明治初年の一時期,舞戸村八幡宮に合祀される(国誌)。明治4年弘前県を経て,青森県に所属。明治2年の郷村高戸数人口租税書では,戸数15・人口75,馬17。明治初年の戸数13,村況は「田畑肥壌,農暇には縄薦を織て産とす」という(同前)。明治9年舞戸村の一部となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7011661