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蔵王山
【ざおうさん】


高頭式の「日本山岳志」(明治39年)に,蔵王山の別称として,象王岳・不忘(わすれずの)山・多婆志禰(たはしね)山・刈田岳・高山・五彩山・白石岳・御西岳・倉石岳が記されている。蔵王山という単独峰はなく,宮城・山形両県を分ける連峰の総称。昭和38年8月8日,面積400.89km(^2)の地域が蔵王国定公園に指定され,熊野岳・刈田岳を中心とし,北は仙山線沿線山寺付近,南は七ケ宿町長老湖・南蔵王渓谷一帯が公園地域。山名は蔵王権現に由来する。古くは苅田嶺といった。苅田嶺の初見は,「続日本後紀」承和11年8月17日の条に「陸奥国无位勲九等苅田嶺神,无位鼻節神並びに従五位下を授け奉る」とある。一般的には火山形成年代の新しい中央蔵王と,有史以前に活動した南および北蔵王に区分されている。中央には蔵王連峰中最高峰である熊野岳(標高1,841m),その南の馬ノ背と呼ぶ尾根の続きに刈田岳(標高1,759m)があり,山頂に刈田嶺社奥ノ宮が祀られている(里宮は遠刈田)。馬ノ背の東側に馬蹄形火口湖「お釜」がある。刈田岳以南を南蔵王と呼び,杉ケ峰(標高1,745m)・屏風岳(標高1,817m)・不忘山(標高1,705m)が続く。蔵王連峰の北端は笹谷峠までで,名号峰(標高1,490m)・地蔵山(標高1,650m)・三宝荒神山(標高1,683m)・竜山(標高1,363m)・雁戸(がんど)山(1,484m)などの山々がある。大正7年10月23日仙台二中の教師2名・生徒7名が遭難。昭和20年3月10日米空軍機B29が3機墜落し米将兵34名が死亡した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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