材木町
【ざいもくまち】

旧国名:出羽

(近世～近代)江戸期～昭和51年の町名。木町(きまち)とも称した。明治17年から一時期山形を冠称。江戸期は山形城下のうち。材木業者の職人町。南は三日町，北は蝋蠋(あかし)町，東は小荷駄(こにだ)町，西は十日町。町内には鞘町・百姓町（新百姓町）がある。鞘町は鞘師たちの町，百姓町は山形藩鳥居氏が山形城を拡張した際，城北の百姓の居住地を城下に繰り入れたので新たに材木町に屋敷地を与えたところ。寛永13年の領地目録（家世実紀）の高478石余。「寛文印知集」には見えず。元禄年間の屋敷数60軒半（うち検断・組頭・筆取・小走無役10軒，役屋敷49軒半），家主52，借家・店借34，人数381。材木町支配鞘町は屋敷数33軒，家主29，借家・店借６，人数175。同支配百姓町は屋敷数20軒，家主９，借家・店借３，人数65。３町合わせて屋敷数113軒半，家主96，借家・店借43，人数621，高903石８斗余，田29町余・畑７町余，百姓74，自身番所２，辻番所２（山形城下新古銘細記／山形市史資料40）。天保13年の村山石高帳および「旧高旧領」では高921石余，百姓町501石余。明治11年の一覧全図では，戸数110・人口554。同22年山形市の町名となる。昭和11年耕地整理事業実施により一部が東原町の一部となる。同26年の世帯数734，人口1,297。昭和38年から同51年にかけての土地改良事業および住居表示実施により，十日町１～４丁目・清住町１～３丁目・南栄町１～３丁目・南一番町・南四番町・籠田(かごた)１～３丁目・上町１～５丁目・追散(おいちらし)・黄金・西崎・立道・石関・砂塚・千代田・深町などの各一部となる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7025106