100辞書・辞典一括検索

JLogos

35

米沢盆地
【よねざわぼんち】


置賜(おきたま)地方の東部にある盆地。置賜盆地ともいう。米沢市・南陽市・東置賜郡高畠(たかはた)町・同川西町にまたがる。西方に笹野山断層崖,東方にやや不明瞭な豪土山断層崖を有し,北に幅広く,南に尖った菱形の陥没盆地。面積250km(^2)で,標高200~300m。北部には大谷地と称される低湿地帯が広がり,陥没の激しかった一帯が今日の白竜湖となった。また,吉野川・屋代(やしろ)川による扇状地の発達がみられ,水田中に盛土を行っての西洋ナシ・ブドウなどの果樹栽培が盛ん。南部には,吾妻連峰から流下する鬼面(おもの)川・最上川上流(松川)・羽黒川・天王川(梓川)などの河川による複合扇状地が発達している。いずれも傾斜がきわめて緩く,礫も少なく,山形盆地とは好対照をなす。西方の小国(おぐに)盆地との境は標高600m前後の丘陵であるため,荒川峡谷をわたる気流が比較的自由に流入する。特に冬の季節風は吾妻連峰にさえぎられるため,新庄・尾花沢(おばなざわ)両盆地とともに全国有数の多雪地帯となっている。長井盆地とは今泉山(268m)と眺山(325m)を結ぶ丘陵によって画され,最上川(松川)によって連絡している。当地方には散村形態が発達し,特に盆地西半の川西町域には屋敷林をめぐらせた典型的な散村集落が多くみられる。盆地の中央を国鉄奥羽本線と国道13号が縦貫して山形方面および福島県とを結び,南部の米沢市街から国鉄米坂(よねさか)線と国道287号が盆地西部を北に向かって長井盆地と連絡している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7028389