鹿島港
【かしまこう】

神栖(かみす)町・鹿嶋市にある重要港湾。鹿島臨海工業地帯の中心的機能を果たす。県南東部の鹿島灘に面する掘込式港湾。神之池(ごうのいけ)や明治期の居切堀を利用したもの。昭和36年,鹿島港を核として鉄鋼・石油などの基幹産業コンビナートの工業用地を造成する鹿島臨海工業地帯造成計画が県により作成された。同37年5月地方港湾,同38年4月重要港湾に指定され,11月には鹿島港の起工式が行われた。同40年11月には鹿島港中央航路掘込を開始,同44年には外航第一船ワールドユニオン号が入港し,8月関税法に基づく港に指定され,10月に開港式が行われた。現在の概況は,3,601mの南防波堤内側の水深22~24m・幅員500mの外港航路,水深13~19m・幅員600mの中央航路,水深10~13m・幅員300mの南航路・北航路があり,その幅員は外港航路540m,中央航路600m,南航路・北航路300m。係留施設としては,深芝公共埠頭岸壁(水深5.5m,延長300m・3バース,対象船舶2,000t)など3つは公共岸壁,他の40近い岸壁・ドルフィン・桟橋は,各企業専用の原料・製品岸壁。住友金属は15万t岸壁ほか7,鹿島石油は20万tドルフィンはじめ6の岸壁・桟橋を専用。バース総延長は17kmで国内最長。同55年の取扱貨物量は4,327万t,入港船舶1万2,089隻。輸入56.7%・輸出3.4%,移出22.9%・移入17.2%。輸入品は鉄鉱石41.5%・石油24.6%・石炭17.6%。鉄鉱石はオーストラリア・ブラジル・南アフリカ,原油はサウジアラビア・イラク・インドネシア,石炭はオーストラリア・アメリカ・カナダからそれぞれ輸入。輸出品は鉄鋼78.8%・化学工業品17%。移出品は化学工業品43.2%・鉄鋼40.9%,移入品も化学工業品54.4%・鉄産品42.6%で,全国に及ぶ。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7036256 |