中野村
【なかのむら】

(近代)明治22年～昭和30年の鹿島郡の自治体名。東は鹿島灘，西は北浦に面する。中・奈良毛・林・荒野・小山の５か村が合併して成立。旧村名を継承した５大字を編成。役場を中に設置。明治24年の戸数350・人口2,365，厩68，船89。村名は，広い面積をしめる中と荒野の各１字をとって命名された。明治20年代から中央台地の山林原野の開墾が行われ，以後昭和20年前半まで継続された。養蚕業も次第に盛んとなった。林業も盛んで，多くの薪炭が東京・銚子（千葉県）方面へ出荷された。水産業特に地引網漁業も重要な産業であった。昭和５年の地引網数は村内で５張，同年の漁獲量はイワシ23万貫余，アジ・サバ750貫余（大野村史）。明治23年利根川と江戸川を結ぶ運河が開通し，水上交通は便利になった。明治22年中村小学校を中野尋常小学校と改称し，荒野に分教場を設置，同25年独立し，中野第一小学校（中）・中野第二小学校（荒野）となり，大正15年中野第一小学校は中野西小学校に，中野第二小学校は中野東小学校となる。明治42年の戸数440・人口2,719，世帯・人口は大正９年570・2,723，昭和２年561・2,939，昭和10年543・3,066，同25年597・3,702。昭和30年大野村の一部となる。５大字は同村の大字に継承。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7038726