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豊原丙
【とよはらへい】


(近代)昭和初年~現在の大字名。はじめ那須村,昭和29年からは那須町の大字。もとは那須村豊原の一部。白河丘陵の北部に位置する。古くからの集落に,迯室(にがしむろ)・高津・荻久保・松沼がある。第2次大戦後,北部に柏台・千振(ちふり)・豊津などの開拓地が生まれた。柏台開拓は,昭和20年に退職軍人補導会の帰農募集に応じた32人が入植したもので,柏台の名は柏の多いことに加えて柏が武に通じる意義のある文字であることと,台が武の聖地を意味することにより名づけられた。同48年は入植者29戸・水田30町余・畑40町余・乳牛261頭・鶏1,750羽であった。千振開拓は,昭和21年満州千振開拓団の引揚者80戸が入植したもので,同24年に乳牛を導入し,その後一大酪農地帯となった。同48年には入植者72戸・水田23町余・畑157町余・乳牛890頭を数えた。昭和24年には小学校の分教場(のちの千振分校)が開校されたが,同47年に廃校となった。同48年には温水溜池(ちふり湖)が完成した。豊津開拓は,昭和22年に地元住民や旧軍馬補充部の従業員,引揚者など17戸が入植したもので,豊津の名は豊原の豊と高津の津をとって名づけられた。同48年現在,入植者15戸・水田10町歩・畑16町歩・乳牛135頭であった(那須町誌)。当地域の北部はいわゆる那須高原にあたり,昭和30年代後半からの別荘ブームで多くの別荘分譲地が造成された。昭和47年,迯室小学校・夕狩小学校・千振分校を合併して新たに朝日小学校が開校した。同49年,東北自動車道が開通し,迯室地区に那須高原サービスエリアが開設した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7042835