飛駒盆地
【ひこまぼんち】

安蘇郡田沼町北部，足尾山地中の彦間川の上流部に位置する盆地。南北3km，東西1km。盆地内には，崖錐性の扇状地が開析されたと考えられる段丘が発達している。彦間川沿いに通じる主道と，近沢峠越えに田沼町作原からの道，越路峠を経て群馬県桐生市からの道がある。古くからの馬産地と伝えられ，治承年間源頼朝の挙兵の時，軍馬を供出したとの伝えが残る。段丘面上は水利が悪く，畑地や桑畑として利用されている。かつて盆地内で生産された和紙は飛駒和紙として両毛一帯で広く使用された。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7043422