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四阿山
【あずまやさん】


吾妻(あがつま)山(吾嬬山)ともいう。長野県境にあるコニーデ型火山(円錐型の成層火山)。標高2,333m。東斜面は吾妻郡嬬恋(つまごい)村,西斜面は長野県須坂市と真田町に属する。山名は屋根の形に似た山容から名づけられたという。北東に万座川を隔てて白根山が,南東に吾妻川を隔てて浅間山が相対する。山頂に2祠の境界神がまつられており,東に向かうものを上州祠,西に向かうものを信州祠といい,この中央の南北方向が上信国境となっている。戦国期には信州の真田氏や上州の鎌原氏により篤く信仰されていた。山体は輝石安山岩および集塊岩からなり,頂上に火口がある。北部の浦倉山・土鍋山方面に連なる部分を除いて裾野がよく発達し雄大である。その裾野は林野および耕地として利用されている。東斜面の嬬恋村干俣は標高1,110m付近まで水田があり,南および南東斜面の同村田代は標高1,400m付近まで畑地化されて,高冷地のキャベツ・白菜・レタス・種馬鈴薯などの産地として知られる。南東斜面の末端部には田代湖がある。東麓にはバラキ湖があり,周辺には県立バラキ教育キャンプ場が開設されている。西斜面末端部の長野県真田町菅平は標高1,360m以上まで耕地があり,高位斜面に広大な北信牧場がある。北斜面には硫黄を産する米子鉱山があった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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