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鏑川
【かぶらがわ】


県の南西部から南部にかけて流れる川。利根川水系第2次支川。烏川の支流。流長53.7km,流域面積632.4km(^2)。八風山(1,315m)と物見山(1,375m)の東麓に源を発する西牧川と,霊仙峰(1,269m)南麓と余地峠(1,280m)に源を発する南牧川とが甘楽(かんら)郡下仁田町合之瀬橋で合流し,鏑川となり東流する。富岡市で高田川・雄川と,多野郡吉井町で大沢川・土合川と,高崎市で鮎川と合流し,同市阿久津町で烏川に注ぐ。水系は樹枝状のパターンを呈している。上流では渓谷が形成されていたが,下仁田町馬山からは河谷が広くなり,鮎川の合流点まで河岸段丘が発達する。上位段丘面は小幡丘陵に連続し,大部分は右岸に分布する。現河床からの比高は30~50m。上位段丘面は水利に恵まれず,関東ローム層が厚く堆積しているため,土地利用は桑園が多い。近年では,コンニャクイモ栽培も日射に強い支那種の普及に伴って多くなっている。下位段丘面には富岡・吉井の市街地が立地し,幅は2km前後に及んでいる。現河床からの比高は10~20m。下位段丘面では農業水利が整備され,土地利用では水田が多い。近年では田畑輪換の利点を生かして,コンニャクイモ栽培や下仁田ネギなどの野菜栽培,さらに花卉などの施設園芸も導入されている。段丘崖は雑木林で覆われているが,そこでは椎茸栽培が行われ,吉井町などで椎茸の主産地が形成されている。河谷は古くから富岡街道など中山道の脇街道として利用され,交通路として重要であった。現在でも,河谷は国道254号と高崎~下仁田間の上信電鉄に利用されており,重要な交通路であることに変わりない。また,流域はアユ・ウグイの釣り場として著名であり,夏のシーズンには多くの釣人が訪れる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7044976