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東京湾
【とうきょうわん】


房総半島と三浦半島に囲まれた,神奈川・東京・千葉の1都2県に接する水域。最大水深は,約800m。両半島間は浦賀(うらが)水道(最短距離約750m)。海水の移動は,潮流のため微弱。江戸期は,菱垣廻船・樽廻船・廻米運送船の航路にあたり,現在は外貿・内貿の貨物船,外国・国内の客船などが航行。鶴見(つるみ)川・多摩川・江戸川・村田川などの河川が湾に注ぐ。昭和52年海難事故件数96件(救助要求件数のみ)。湾に沿って横須賀・横浜・千葉・木更津(きさらづ)・館山(たてやま)などの各港がある。明治初期から江東方面の低湿地・川崎を中心とする海岸部の埋立が行われ,戦後は,船橋・千葉・木更津方面の海岸部の工業用地造成が進んだ。現在,川崎を中心として東京南部から横浜に至る海岸部,千葉・木更津を中心とする海岸部は,日本有数の臨海工業地帯を形成している。各港は,工業用港湾として発展,また横須賀港は,アメリカ第7艦隊の原子力潜水艦・航空母艦の母港。海岸部の埋立の進行に伴い,江戸期以来のノリ・アサリ・ハマグリなどの養殖はほぼ全滅。房総半島の館山一帯は南房総国定公園に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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