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妙経寺
【みょうきょうじ】


佐渡郡佐和田町中原にある寺。日蓮宗,山号は法華山,本尊は大曼荼羅。河原田の市街地ほぼ中央にある。日蓮在島中,深く日蓮に帰依し配流中に信者となった中興入道が日正と称して開基となり,その自筆本尊を中心とした法華堂が発展したものと伝える。応永年間には法華山妙経寺と改めた。応永3年,鎌倉から円妙院日清を請じ一寺を建立。日清が中興三郎の息女のために書いた曼荼羅本尊や,日清の記した開基法名には妙経寺とある。寛正3年には泉(金井町)に移り,弘治年間に現在地に移ったという。中世末になると日蓮宗諸派の間に宗祖法難の追体験が盛んとなり,佐渡に渡る僧が増え,永禄2年佐渡へ来た鎌倉妙経寺の日現は,当寺を訪れ,「佐州朗門弘通所之開基」として「南無日像聖人」の本尊を正住院日進の仏壇に納め,同日「佐州朗門流弘通所」にも日蓮の曼荼羅本尊を書写して納めている。「佐渡国寺社境内案内帳」には,境内3反7畝余・畑9畝余・御除,寺家に性善院・円成院・林性坊の3坊,隠居地に真如院(河原田裏町)が記される。寺の過去帳には,享和2年11月大地震に見舞われた際,「昼四ツ時,同九ツ時,前代未聞之大地震,庫裏大破」とある。境内には屋根の重さでは島内有数といわれる仁王門があり,檀越に新田開発の神様といわれた池長兵衛,別名法華長兵衛家がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7078540