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上ノ山
【うえのやま】


旧国名:甲斐

上野山とも書く。釜無川支流塩川の左岸,茅ケ岳火山裾野の末端が塩川の側浸食を受けて形成した河岸段丘上に位置する。この段丘は塩川の水面と60mの比高をもち,上ノ山台と称する。地名の由来は,近辺の低地の人々が台上を上ノ山と呼んだからであるが,穂坂郷所属の諸村中ではむしろ低い村に属する。村の成立は武田氏時代,永禄7年以後とみられる。その理由は,永禄6年7月,釜無川・荒川の水防に穂坂総郷人足の出動を命じた武田信玄の印書に,上ノ山は下今井・岩森とともに,見えていないからである。上ノ山は下今井などと前後して信玄の晩年か,武田勝頼治世の初期に開発したのであろう。
上野山村(近世)】 江戸期~明治8年の村名。
上ノ山(近代)】 明治後期・大正期~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7096141