長良橋
【ながらばし】

長良川に架かる橋。岐阜市長良鵜飼屋(うかいや)(右岸)と湊町(左岸)を結ぶ。長さ272m・幅18m,上路式5径間連続鋼鈑桁橋。昭和29年12月完成。主要地方道岐阜白鳥線と,名鉄電車岐阜市内線の複線軌道の通る併用橋。架橋場所は江戸期の高富街道の道筋で,長良川の河港,長良三郷と中河原(左岸)を結ぶ長良の渡しのあった場所。最初の橋は明治7年11月にでき明七橋といい,南24間は木橋,北31間は船橋であった。渡し賃は人4厘・馬9厘・人力車1銭4厘・駕籠1銭6厘。同17年5月に木橋(長さ158.2間・幅2.10間)に付け替えられたが,有料橋であった。当時の新聞は橋賃廃止論と地方税による買い上げ論を主張し,県会でも問題になった(県史)。同33年末に県費による木橋(長さ150.36間・幅2.30間)が建設され,大正4年5月現長良橋の約20mほど上流に板張りの鉄製構桁橋(長さ271.5m・幅9.0m)を架設。同年11月から岐阜市内線は橋を渡り,長良北町まで延長し,長良軽便鉄道(長良北町~高富)と連絡した。やがて,橋も老朽化し路面の板張りもゆるみ,通るたびにガタガタ音がするので「シロホン橋」などといわれるようになった。昭和26年現在の長良橋の架替工事が計画されたが,橋の高さ(旧橋より2.65m高)と取付道路(幅27m)について地元に反対の声があがり紛糾したが(長良橋事件),計画どおり実行され,現在の長良橋となった。現在,市北部の都市化が進み,朝夕の交通量は多く,市中心部と郊外を結ぶ交通上の最重要橋の1つとなっている。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7107648 |