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駿河国
【するがのくに】


旧国名:駿河

旧国名。現在の静岡県東部,大井川以東の伊豆半島を除く地域で,駿州とも略称する。東は伊豆・相模(さがみ)両国,北は富士山・赤石山脈を隔てて甲斐(かい)・信濃(しなの)両国,西は大井川・赤石山脈を隔てて遠江(とおとうみ)・信濃両国に接し,南は駿河湾に面する。大化前代,当地域は珠流河(するが)国・廬原(いおはら)国に分かれており,多くの国造が支配していた。大化改新以後駿河国が成立するが,国名は旧珠流河国を継承し,好字2字で駿河としたものといわれる。「スルガ」の語源は富士山・愛鷹(あしたか)山麓に自生するヤマトリカブトのアイヌ語「スルグラ」に由来するとする説もあるが(県史2),富士川の流れが速く,するどい河であったことに由来するとするのが妥当であろう。
(古代)「旧事本紀」巻10の「国造本紀」に珠流河国とみえる。
(中世)治承4年源頼朝が挙兵し,これに呼応して戦功をたてた甲斐の武田信義が富士川合戦の直前に駿河国守護に任じられ,元暦元年以降は鎌倉期を通して北条得宗家が守護を世襲した。
(近世)志太郡・益津郡・有渡郡・安倍郡・庵原郡・富士郡・駿東郡から成る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7112316