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京都府
【きょうとふ】


(近代)明治元年~現在の府名。慶応4年閏4月京都裁判所を改称して成立。管轄地は京都市中および山城国の皇室領・公家領・寺社領・旧幕府領と旗本領であった。当時旧幕府領地は大和郡山藩など4藩がその取締りにあたっており,職務の混乱を起こしていたが,一応の結着をみ,京都府成立の運びとなった。同4年府県統廃合により,府管轄地域に山城国全郡の各藩領と丹波国船井・何鹿(いかるが)・桑田の3郡が加わった。同年愛宕(おたぎ)郡は岩倉村に,乙訓(おとくに)郡は向日(むこう)町に,宇治郡は醍醐(だいご)村に,久世郡は小倉村に,綴喜(つづき)郡は玉水村に,相楽(そうらく)郡は木津町に出張所を設置。つづいて,淀・山家(やまが)・綾部・亀岡・園部にも出張所を新設,同5年出張所を廃し,淀・童仙房・亀岡・山家・園部支庁に統合,地方役所の整備拡充を行った。この頃,滋賀県(大津県)とは比叡山,大阪府とは乙訓郡大山崎村と大阪府島上郡山崎村との境界問題が起こっており,前者は両者の話し合いで標柱をたて,後者は土地交換で結着がついた。同9年再び府県統廃合が行われ,旧豊岡県下の丹後国加佐・与謝(よさ)・中・竹野・熊野5郡と丹波国天田(あまだ)郡が編入され,宮津に支庁が置かれた。これにより現京都府域がほぼ確定した。同22年市制町村制施行時の市町村数は京都1市と14町265村,昭和22年には3市25町184村となり,現在は12市31町1村で,京都市は政令指定都市で11区を編成。大正9年の人口128万6,251・世帯数27万6,725,昭和30年の人口193万3,886・世帯数42万5,828,昭和55年の人口252万7,248・世帯数82万6,561(国勢調査)平成12年の人口256万3,355人・世帯数100万3,072。初代知事は長谷信篤,2代目槇村正直,3代目は琵琶湖疏水工事を敢行した北垣国道である。府域は南北に長く,日本海に面した北部と表日本に位置する南部とは,歴史的背景も現在の諸条件もかなり異にしている。南部は京阪神都市圏にあって,京都市を経済・文化の中心として発展,近年ことにその近郊において人口と産業が集中している。府北部は,福知山・舞鶴・綾部・宮津などの市があり,各地域の中心となっている。内陸部の諸市町村は兵庫県とかなり密接な関係を有して,大規模な地域開発を兵庫県と一体となって進めているが,一部の農山村では過疎が進行中である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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