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志明院
【しみょういん】


京都市北区雲ケ畑出谷町にある寺。単立(真言系)。岩屋山金光峯寺と号す。本尊に不動明王を祀るところから,俗に岩屋不動と呼ばれている。岩屋山は古くから山岳信仰の地として知られ,修験道の行場であった。元禄年間に作成された寺の縁起によると,孝徳天皇の頃,役小角が草創したといわれ,その後,天長6年空海が再興したとされる。宇多天皇により都の乾(北西方向)の鎮護寺として勅願所となり,寺運大いに盛んであったが,天徳2年の焼亡をはじめ,しばしば罹災。中世には貞和5年以降足利氏の帰依を得て本格的に再興されたが,天保2年,仁王門・鐘楼(室町期)を残して全焼。明治初期には荒廃していたが,その後,有志によって再興。現在の主な建物の大半は明治以降のもの。本堂の背後には,弘法大師が入山行法の際,当山の守護神が飛竜となって滝壺の中に入ったと伝えられる飛竜の滝があり,さらに,その後ろの断崖には,弘法大師が護摩法を修したという巨大な護摩洞窟がある。ここは歌舞伎十八番「鳴神」の舞台になったところといわれる。このほか本堂北の山腹には天神示験の地といわれる神降窟(降神岩)など,伝承をもった場所が多い。山中は修験道の行場になっており,近世期からは数々の伝説により霊地として知られ,7月26日の千日参では多くの参詣者があり,現在も4月27~29日の岩屋大祭には,多数の参詣者がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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