100辞書・辞典一括検索

JLogos

37

犬飼
【いぬかい】


旧国名:大和

吉野川右岸の河岸段丘上に位置する。犬飼は弘法大師が高野山に分け登った際,先導した犬を飼っていた所であるという伝承があり,当地の犬飼山転法輪寺の縁起にもなった(五條市史下)。安閑紀2年8月乙亥朔条には,同年5月に諸国に屯倉を設定した記事に続いて,「詔して国々に犬養部を置く」とあるのに関連した地名か。犬養部は狩猟のためのものとする説や屯倉の番犬として犬を飼うものとする説,あるいは井堰,水門,池などを意味する古地名であるとする説もある(同前)。また,「姓氏録」右京神別下には「坂合部宿禰」と「阿多御手犬養」があり,ともに火闌降命の後であると見える。中世において,犬飼は坂合部郷に属しており,両氏ともに宇智郡に関係した氏族であったと思われる。なお阿陁郷内にも「犬飼原」の字名があり(西大寺田園目録),現在も五條市滝町に「イヌコハラ」の小字がある(大和地名大辞典)。なお犬養部が屯倉の設置と関係が深いとするならば,現五條市野原町に「三宅」,同西阿田町に「宮ケ」,同今井町に「三宅」という小字名があり(同前),保元3年8月7日付官宣旨案(栄山寺文書/五條市史下)に「三宅」という地名(現野原町)が見えることは注目される。深闇(みくら)城跡があり,俗に城山と呼ぶ。
犬飼(中世)】 戦国期に見える地名。
犬飼村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
犬飼(近代)】 明治22年~昭和33年の大字名。
犬飼町(近代)】 昭和33年~現在の五條市の町名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7165486