100辞書・辞典一括検索

JLogos

34

椒の古墳
【はじかみのこふん】


中期の古墳。有田(ありだ)市初島町浜の東亜燃料株式会社和歌山工場構内に所在。県史跡(昭和33年指定)。明治41年と昭和38年に調査された。海岸砂丘上に造営された帆立貝式の前方後円墳と考えられ,幅約7mの周濠を巡らせていたようで,現存する墳丘は,前方部が削平されており,東西約18m・南北約19mのほぼ円形である。内部主体は,県下でも最古式に属する横穴式石室で,奥壁に沿って石棺が設けられていたという。石室内は赤色顔料が塗布されていた。出土遺物は,竜文鏡・蒙古鉢形冑・挂甲・短甲・鉄槍・直刀・鉄斧・帯金具・金銅装金具・碧玉製管玉・石枕,土師器の高坏・坩などがある。蒙古鉢形冑は,全国的にもあまり類例がなく,朝鮮半島との強い関連がうかがわれ,考古学上貴重な資料といえよう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7173041