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国道
【こくどう】


 国道11号 一般国道。徳島県徳島市と愛媛県松山市を結ぶ。総延長239km,うち愛媛県内延長92.3km。ほぼ瀬戸内海南岸に沿って香川県を東西に横断,川之江市川之江町余木で愛媛県に入り,伊予三島市,宇摩(うま)郡土居(どい)町を経,関の峠から新居浜(にいはま)市に入り,西条市,周桑(しゆうそう)郡小松町,丹原(たんばら)町,温泉(おんせん)郡川内町で河之内隧道を通過,重信(しげのぶ)町を経て松山市に至る。昭和37年から48年にかけての改修工事が完了している。四国を東西に結ぶ最重要路で,路線は徳島県から愛媛県小松町までは,ほぼ古代の南海道に沿っている。 国道33号 一般国道。愛媛県松山市と高知県高知市を結ぶ。総延長121.1km,うち県内総延長60.4km。松山市街を出て重信(しげのぶ)川を渡り,伊予郡砥部(とべ)町東部を通過,山地に入る付近で再び松山市久谷(くたに)町に入り急坂を登る。三坂峠を境に上浮穴(かみうけな)郡久万(くま)町に入り,久万盆地の中央部を通り久万川沿いに南下し美川村を経て,面河(おもご)川に沿い柳谷(やなだに)村大字中津で高知県に入る。四国山地を横断するこの国道は明治25年に開通した四国新道を前身とするもので,昭和42年大改修が完工し,急坂・カーブは多いが,松山~高知間の所要時間を大幅に短縮した。 国道56号 一般国道。高知県高知市と愛媛県松山市を高知県中村市・同宿毛市・愛媛県宇和島市・同大洲市経由で結ぶ。総延長287km,県内延長149.5km。松山市と南予地方を結ぶ陸上交通の動脈であり,山間盆地を通るのでトンネルが多く20を数える。昭和45年に法花津・鳥坂・犬寄の3トンネルが完成するまでは,松山~宇和島間は,自動車で5時間も要したが,トンネル完成後,2時間30分に短縮された。国道は藩政時代の主要街道にほぼ沿っている。 国道192号 一般国道。愛媛県川之江市と徳島県徳島市を結ぶ。総延長92.6km,途中国道32号と重用。県内延長12.2km。川之江市川之江町で国道11号から分岐し東進し,川之江市川滝町下山から境目トンネルを経て徳島県三好郡池田町佐野に入り,吉野川南岸を東進し徳島市に至る。全線改良済みで,ほぼ旧阿波街道に沿っている。 国道194号 一般国道。愛媛県西条市と高知県高知市を結ぶ。延長108km。うち愛媛県内約29km。高知市を起点とし,西条市中野の加茂川左岸国道11号と接続。県内の主な経路は,県境の石鎚山脈山腹の寒風山トンネルを通るとつづら折の道が川来須(かわぐるす)まで下り,加茂川の支流谷川沿いに中之池・下津池・荒川・千町(せんじよう)を経て東宮に至り,船形橋で加茂川左岸に渡り,加茂川橋に達する。この道路は旧加茂村を貫通するもので,住民の強い要望で明治31年県道案が提唱されて以来,高知県側とも提携して建設運動が推進された。第2次大戦後西条市長十河信二(のち国鉄総裁)の強力な推進により,昭和22年「四国中央産業開発道路期成同盟会」が結成された。昭和25年建設省の実地調査があり,同29年1月主要地方道に編入,同12月県道に認定された。さらに同37年4月2級国道に指定。この間,昭和34年に最後の難関である寒風山トンネルの工事に着手,昭和39年7月完工式が挙行され全線開通した。この道路の開通により,四国山地の豊かな森林資源の利用が促進され,基安(もとやす)銅山(昭和47年閉山)の鉱石搬出も容易になった。最近では観光道路としての価値も高まり,下津池の止呂(とろ)ケ淵や笹ケ峰登山に訪れる人々が多く,また寒風山トンネル南口で瓶ケ森林道と結ばれるため利用価値はいっそう増すものと期待される。 国道196号 一般国道。松山市と周桑(しゆうそう)郡小松町を結ぶ。全長67.2km。もと2級国道。2車線。瀬戸内海沿いに走る。今治(いまばり)から国道317号(今尾ルート,中四連絡橋)へ,小松から国道11号へ,松山からは国道11号・国道33号・国道56号の各線へ通じる。うち今治市孫兵衛作~東予市壬生川(にうがわ)間の6,058mは,東予有料道路で昭和35年に開通,同42年国道に指定され,同54年から無料となった。関係市町は,松山市・北条市・越智(おち)郡菊間町・同郡大西町・今治市・東予市・周桑(しゆうそう)郡小松町の7市町。国道11号のバイパス的な役割を果たしている。道路改良事業として,松山環状線松山市生石(いくし)町~同中央1丁目間3km・幅員28m(6車線)が昭和54年,北条バイパス北条市久保~石風呂間6.3km・幅員30m(4車線)と今治バイパス今治市宅間~同長沢間13.4km・幅員30m(4車線)が昭和48年にそれぞれ事業着手した。 国道197号 一般国道。高知県須崎(すさき)市から愛媛県大洲(おおず)市・八幡浜(やわたはま)市を経て西宇和郡三崎町三崎に至り,海上ルートの豊予(ほうよ)海峡を渡って大分県佐賀関(さがのせき)町,さらに大分市に通じる。昭和37年県道八幡浜三崎線が2級国道大分大洲線に昇格,同40年国道197号と改称し,同44年には三崎と大分県佐賀関間を60分で結ぶ国道九四フェリーが開通,道路公団の豊予丸が1日3便就航した。一方,大洲~須崎間は昭和44年,県道から国道に昇格,翌45年公示され四国分全線190.7kmが国道197号となった。愛媛県分は北宇和郡日吉村向谷の高知県境高研(たかとぎ)トンネルから東宇和郡城川町に入り,肱(ひじ)川に沿って下り大洲市,同市より夜昼トンネル(2,194m)を経て宇和海岸八幡浜市に出て佐田(さだ)岬半島を南岸沿いに三崎町三崎マエハタに至る。全長129.3km,幅員4~11m。うち改良区間全長66.9kmで肱川上流部と佐田岬半島部が遅れている。道幅が狭くカーブの多いことから197をもじって「イクナ(行くな)国道」と蔑称される佐田岬半島では,海上ルート九四連絡の幹線であり,過疎を防ぐ生活道路でもあることから昭和60年完成を目指してバイパス建設など改良工事が進行中である。国道沿線には肱川沿岸の林産,宇和海沿岸の水産物のほか肱川,佐田岬半島宇和海の両県立自然公園など観光資源にも恵まれることから,過疎に悩む南予振興の開発道路として全線にわたる改良整備の早期実現が期待されている。 国道317号 一般国道。今治(いまばり)市から芸予の島々を経由して広島県尾道(おのみち)市に至る。以前は地方道や県道であったが,瀬戸内海大橋の架橋ルート決定により,昭和44年国道に昇格した。今治市役所前から波止浜(はしはま)―大島―伯方(はかた)―大三島―広島県生口島へと結ぶコース。県内分の延長は約30km,昭和52年現在舗装率は98%であるが道幅はまだ狭く,現在急速に拡張が進んでいる。現在も島嶼部の産業開発・生活道路として最も重要であるが,架橋の実現により中国・四国を結ぶ動脈としてその価値を増す道路である。 国道320号 一般国道。高知県宿毛(すくも)市を起点に,愛媛県宇和島市を経由し,北宇和郡日吉村下鍵山に至る。このうち宿毛~宇和島間は国道56号との重用区間である。宇和島~日吉間は延長は36.3km,この間全面舗装ではあるが,改良率は35.6%である。なお改良工事は,宇和島~広見町水分(みずわかれ)間が昭和52・53年度,水分~広見町出目新田(いずめしんでん)間が昭和50・51年度に行われた。終点の日吉村下鍵山で国道197号に接続し,そこから大洲(おおず)市と高知県須崎(すさき)市に通ずる。改良工事の完了後は,須崎市と宇和島市の時間距離の短縮がはかられる。 国道378号 一般国道。伊予市下吾川(しもあがわ)字宮田で国道56号から分かれ,伊予灘沿岸を南下,西宇和郡保内(ほない)町の瞽女ケ峠(ごぜがとうげ)を経て宇和海北東岸の保内町須川(すがわ)で国道197号に接続する。路線延長63.8km・幅員4~6.4m。昭和50年国道に昇格。国道56号に代わって松山方面と八幡浜(やわたはま)・佐田(さだ)岬半島方面を結ぶ路線として改良が進められているが改良済区間は18.6kmで,肱(ひじ)川河口の長浜以西が遅れている。 国道379号 一般国道。松山市から喜多郡内子(うちこ)町に至る。実延長42km。松山市から伊予郡砥部(とべ)町大字宮内までは国道33号と,上浮穴(かみうけな)郡小田町大字吉野川字突合せから内子町大字内子までは国道56号と重用区間である。昭和50年4月1日に国道に昇格認定された。上尾(うえび)峠から広田村を経由して内子町まではほとんど肱(ひじ)川の支流を結んでいる。沿線は農山村地域で,タバコ・シイタケなどが特産品である。林産物の搬出路的性格の濃い道路である。 国道380号 一般国道。上浮穴(かみうけな)郡久万(くま)町大字露峰(つゆみね)字落合から小田町を経て喜多郡内子(うちこ)町大字大瀬に至る。延長24.5km。久万町落合で国道33号より分岐し,久万町父二峰(ふじみね)盆地を露峰川沿いに走り,橋詰で西方向に折れ真弓峠(750m)を越えて小田町大字大平(おおひら)に入る。大平川に沿って下り小田町の中心街を抜け,小田川の右岸(北岸)を並走する。小田町大字吉野川字突合せで,同じく伊予郡砥部(とべ)町で国道33号と分かれ,広田村を経由し田渡(たど)川沿いに下ってきた国道379号に合する。川を渡れば内子町大字大瀬である。県内の主要国道33号と56号を結ぶものであるが全路線山間地を走っており,急坂・カーブが多く,幅員も一部を除いて狭い。昭和49年4月国道に昇格,現在改修中である。 国道381号 一般国道。高知県須崎(すさき)市から高岡郡窪川町・幡多郡西土佐村江川崎・愛媛県北宇和郡松野町松丸・広見町出目(いずめ)を経由し,宇和島市に至る。このうち須崎~窪川間は国道56号と,出目~宇和島間は国道320号とそれぞれ重用し,出目~江川崎間は主要地方道宇和島中村線と重用する。出目から県境までは延長13.2km,全線舗装されているが,改良区画は6.1kmである。この国道が全面的に改良舗装されると,高知県幡多地方から宇和島市への交通が飛躍的に便利になる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7201377