大根坂湾
【おおねざかわん】

北松浦郡大島村にある湾。的山(あずち)大島の北東に位置する。古くは遣唐使船が航行した海域で，当湾も寄港地として知られる。湾口は長崎鼻と馬込鼻に挟まれるようにして狭まり，湾奥深く入る。これらの岬からの眺望はすばらしいが，北西の風に洗われ，ともに40～70mの急崖をなしている。北東に開口しているため，港としての機能は島内にある的山湾や神浦湾に一歩譲る。しかし，島全体が丘陵性で基盤をなす第三紀層と玄武岩との地形変換点から湧水があるため，この大根坂湾を囲む丘陵地に多くの溜池をつくり，これを利用して水田が開かれるなど，島内農業の中心地域となっている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7219901