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五ケ所
【ごかしょ】


旧国名:日向

九州山地中央部,大野川(五ケ所川)上流の山間地に位置する。東には九州本土第2の高峰祖母山を負い,北に筒が岳,南に四季見原・赤川浦岳・黒原越,南西に崩野(くえの)峠・国見岳など1,000m以上の山々がそびえ,地内は標高750m以上の高原である。地内を北西へ流れる大野川は,北西端で熊本県へと向かうが,この方向は視界が広がって眼下に阿蘇五岳を眺望することができる。標高が高いだけに寒冷地帯で,作物にも制約がある。地名の起こりについて伝承はないが,現在の集落は10か所であるけれども,昔は5か所だけであったのであろうと推定する説がある。文献に村名が現れるのも,高千穂地方の他村のように,古い記録がなく,天正18年の「竿前御改書上帳写」(矢津田文書)に「一,高百三拾四石余 五ケ所」と出るのが最も古いようである。祖母山は,日向・肥後・豊後の3国にまたがる大山なので古来信仰の対象の山でもあり,「源平盛衰記」では九州の豪族大神氏発祥の伝説の「嫗岳物語」の嫗岳に擬されている。昔は5月18日が山開きであったが,昭和期になってからは毎年5月2日に高千穂町と大分県緒方町・竹田市の共催で山開きの神事が行われる。
五ケ所村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
五ケ所(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7234987