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椎葉
【しいば】


旧国名:日向

古くは「那須」「那須山」ともいった。なお,百井塘雨の「笈埃随筆」は那須の隣に椎葉山を考えているが地理的に無理がある。那須はやはり椎葉の旧称とすべきであろう。九州山地中央部の山間地に位置し,その屋根をなす1,000m以上の山々に囲まれる。この山地に源を発する耳川・小丸川・一ツ瀬川やそれらの支流に沿った谷あいに点々と零細な農地と小集落が散在する。東方の日向灘の海岸部からおよそ80kmを隔てた奥地で,西部は肥後国(熊本県)と境する。旧称の那須の地名は,伝承によると平家の落人追討に下った那須大八郎の恩顧を忘れぬために那須の名字を地名に残したという(東西遊記)。また椎葉の地名は,大八郎の陣小屋の風を防ぐのに椎の葉を用いたことから椎葉の名が生まれたともいう(椎葉山由来/日向郷土史料集)。耳川筋の中ノ八重(なかのはえ)からは縄文後期の石器や土器の破片が採集されている(椎葉村史)。また十根川の八村大明神境内にある八村スギは大八郎の手植えといわれ,さらに上椎葉の那須家住宅(鶴富屋敷)と厳島大明神とは平家一門との深い因縁を語り伝えている。八村スギは高さ約54.4m・根元周囲約19m・目通り幹まわり約13.3mの日本屈指の巨大なスギで,国天然記念物。那須家住宅は椎葉型民家の最も大型のもので,わが国でも有数の民家として国重文に指定されている。
椎葉山(中世)】 戦国期に見える地名。
椎葉山(近世)】 江戸期~明治22年の広域地名。
椎葉村(近代)】 明治22年~現在の自治体名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7235120