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中岳
【なかだけ】


小林市と鹿児島県霧島町の境に位置する霧島火山群の1つ。霧島屋久国立公園に属する。三角点は霧島町に属し,標高1,332.4mであるが,県境部にそれよりも高い1,345m地点がある。新燃(しんもえ)岳(1,420.8m)の南東部に隣接し,さらに南東に高千穂河原,高千穂峰(1,573.7m)を望む。小規模な二重式火山で,長直径約750mの長円形外輪山内の南東部に直径約200mの中央火口丘がある。火口丘内は浅い池ないし湿地である。火山形成は第四紀現世の新期に属し,はじめに橄欖石含有輝石安山岩の溶岩を旧火口より流出,外輪山と広い裾野を形成した。のちに中央火口丘より輝石安山岩の溶岩が噴出,中央火口丘を形成するとともに,一部は外輪山を越えて南東部に流出,山麓標高約1,100m付近に溶岩台地をつくりあげた。標高1,150m以上はかなり急斜面である。新燃岳の南東斜面から中岳山頂付近にかけてのなだらかなスロープには霧島随一の規模を誇るミヤマキリシマの大群落があって,初夏の開花期は全山紅に染まる。登山道は新燃岳から中岳を経て高千穂河原に至る縦走路があり,中岳の外輪山北東部を半周する。高千穂河原からは約1時間のハイキングコースである。山名の由来は不詳。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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