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山下町
【やましたまち】


(近代)昭和32年~現在の延岡市の町名。1~3丁目がある。もとは延岡市岡富の一部。世帯数・人口は,昭和35年1丁目114・513(男232・女281),2丁目295・1,225(男594・女631),3丁目375・1,455(男684・女771),同55年1丁目79・229(男97・女132),2丁目288・821(男393・女428),3丁目320・869(男366・女503)。1丁目には今山八幡宮の東側階段があり,以前は八幡町と称した。3丁目は上の坊と称し,天台宗善正寺があり,寺中の儒学者渡辺正庵・白瀬永年の墓碑は市文化財に指定されている。善正寺について「有馬三代考」の伝えるところによれば,元正天皇代,養老3年笑嶺和尚の創立で,当時蓬莱山金仙寺と号したという。以前は現在の台雲寺の寺地(北小路)にあったが,高橋元種が西林寺を建てた時,金仙寺を現在地に移し,のち大円山善正寺と改称。その時期はおそらく元禄年間であろうとされる。その後北小路の高岳寺跡,現在の城影寺の地に移したが,維新後再度現在地に移ったものとある。「県史蹟調査」7の同寺由緒書きには,「元文二年三月十日本堂を始め旧記宝物の類焼失の為め不明なり」とある。正庵の墓石正面の「正庵先生渡辺看之墓」は伊藤仁斎の,また略歴を記した墓誌は伊藤東涯の撰文と揮毫による。今山八幡神社は孝謙天皇代の天平勝宝3年の創建と伝え,往時は岡富八幡宮と称し,領内鎮護の神として歴代の領主に尊崇された。明治34年現在の社名に改称。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7236277