新燃岳
【しんもえだけ】

姶良(あいら)郡霧島町と宮崎県小林市の境にある火山。標高1,420.8m。霧島火山群の新期火山の1つで,獅子戸岳と中岳の間に位置する。山体は美しい臼状をなすが,西側に雨裂が発達する。火口径は約750mあり,直径約150mの火口湖がある。溶岩は主に輝石安山岩質で,表層はその砂礫からなる。また,頂上南方には三つ石と呼ばれる三角状の岩があり,与謝野晶子は「新燃はこの耳に聞きぬべし白くいみじき雲動く音」と歌っている。噴火活動の記録では,享保元年~2年,文政5年の噴火が有名で,近くの民家や田畑に災害をもたらした激しいものだったといわれる。最近の活動は,昭和34年2月の爆発が激しく,新しく6個の火口が誕生した。現在は水蒸気を噴出するのみ。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7237932 |