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長木郷(中世)


 南北朝期~室町期に見える郷名。佐渡国雑太【さわた】郡のうち。康永3年4月日の佐渡国石田・長木・二宮三ケ郷年貢結解状写に「長木郷」が見え,48貫752文が納められている(椎泊本間文書)。永徳元年12月24日の室町将軍家御教書には「佐渡国雑太郡内長木三分一」が見え,本間左衛門四郎に安堵された(木村文書)。また,応永14年7月2日の本間詮忠譲状では「長木保三分一」ほかが子息有泰に譲られている。永享9年3月6日の本間源存譲状や宝徳3年5月28日の本間淳泰譲状にも見え,「長木七十貫」との表記から得分の銭納化が考えられる(山田本間文書)。これらは,石田郷地頭の本間氏一族と考えられる。なお,永享10年2月22日の室町将軍家御教書では,「佐渡国石田郷金丸半分・長宇禰半分・長池(長木カ)・関浦等」が本間季直に安堵されている(木村文書)。近世初頭に上長木村と下長木村に分かれた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7312960